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メメント

紹介しようか迷っていました。物語の核心に触れないとこの映画の良さが伝わらないからです。

ということで、奥歯にもののはさまった言い方になります。

主人公が妻を殺した犯人を探すミステリーです。

ただし、主人公の記憶は10分しか持続しません。その前に何をしていたかを覚えていません。何のために何をしていたのかさえも。大事なことを忘れないようにポラロイドを取ったり、体にタトゥーまで入れます。

メメント2


10分しか記憶が続かないということは、10分ごとに人生がリセットされるということです。10分ごとに新しい日が始まるのです。

これはアルツハイマー型認知症の症状に似ています。ご飯を食べたことを忘れてもう一度食べたり、トイレに行ったこと、薬を飲んだこと、ついさっき家族が面会に来たことなどを忘れてしまうのです。より正確には、新しいことが覚えられないのです。

一過性の短期間の記憶を、その都度長期間の記憶(ハードディスクをイメージしてください)に移していかないと、記憶が消えてしまうのです。

この作用をするところが、海馬です。側頭葉の内側にあります。アルツハイマーの場合ここが最初に障害されます。

カイバ


もっともアルツハイマーの場合には、徐々に障害の場所が海馬以外にも広がり、多彩な症状が生じるのですが。

メメントでは純粋にこの部分だけ選択的に障害されているはずです。ハードディスクに書き込めないために、主人公は体やポラロイドといった外部記憶装置に記憶を刻み込むわけです。


メメント3


見てない方はぜひ。とってもびっくりします。すぐにもう一度見直したくなります。


2011.06.05 / Top↑
「リバスチグミン」という、「リバスチグミン」という、新しいアルツハイマー型認知症の治療薬の製造承認がおりました(4月22日)。近々発売されます。


商品名は「リバスタッチ・パッチ」(小野薬品工業)、「イクセロン・パッチ」(ノバルティス)です。

これまでは、アルツハイマーの治療薬は、ドネペジル(アリセプト)しかなかったので、選択の幅が広がることになります。

これには二つの特徴があります。

・貼る薬ということと、
・アセチルコリンエステラーゼ(AChE)だけでなく、ブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)の両方を阻害すること。

貼る薬は、飲み込みにくい患者さんで便利ですね。

ブチリルコリンエステラーゼを阻害するという点ですが、これは腸管に多く分布しているので、下痢などの消化器症状の副作用が多くなるのが欠点でした。そのため貼り薬にして吸収を遅くすることで、この副作用を軽減したというのが、開発の経緯のようです。

アルツハイマー病(AD)の進行とともに、AChEの活性は低下して、BuChEの活性が増加するので、ADがある程度進行しても効果が持続することが期待されています。



2011.05.01 / Top↑
アルツハイマー型認知症の新しい薬が6月8日に発売(2011年)されます。


第一三共株式会社のメマリー錠(一般名:メマンチン塩酸塩)です。これまであった、アリセプト(一般名:ドネペジル)とは効き方が違うので、併用できます。


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以下は専門的になります。(詳しくない方も分らないことはないですが、どこまで本当か分らない話でもあります)

ドネペジルは、「コリン仮説」に基づいて、脳のアセチルコリンを増やす薬でした(アセチルコリンの分解を阻害して)。

メマンチンは、「グルタミン酸仮説」に基づいて、グルタミン酸系に働きます。

<ここで注意してほしいのは、「仮説」という点です。見てきたような話ですがね>


「認知症のグルタミン仮説」について。(統合失調症にも「グルタミン酸仮説」があります)

グルタミン酸は興奮に関係がある伝達物質です。

グルタミン酸の受容体の一つにNMDA受容体があります。これは海馬にたくさん分布していて、記憶に関係しているとされています。アルツハイマーになるとこの受容体が減るのです。

ということは、NMDA受容体を増やせば効果があることになります。ふつうは。

ここからが、眉つばというか、こじつけというか、

アルツハイマーが進行すると、その減ったNMDA受容体が異常に興奮して、神経細胞を破壊するのだそうです。(見てきたような話ですが)

メマンチンはこの異常なNMDA受容体の興奮を抑えます(=NMDA受容体拮抗作用)。正常な伝達は抑えずに。

<NMDAをブロックする薬には、プレガバリンやケタミンという痛みどめ(この強いのがPCP=フェンシクリジンという幻覚作用の強い薬です)があります。ケタミンがうつ病に効果があるという報告もあります>

<SSRIのフルボキサミンは、シグマ1受容体への作用が強いですが、シグマ1はNMDAを促進してうつ病の認知機能やうつ状態を改善します。抗精神病作用もあるとも言われています。これはメマンチンとは反対の薬理作用です。効果は似ていますが>

(うーん、はっきり言って、認知機能にはNMDAをブロックすると改善するのか、促進させるといいのかはっきりしません)

メマンチンの投与の対象となる疾患は、中等症以上のアルツハイマー型認知症です。ドネペジルの無効な患者さんや、ドネペジルこ効果が不十分な患者さんにドネペジルと併用で投与します。

主な副作用はめまいです(4.7%)。精神興奮の報告もあります。

パーキンソン病の治療薬のアマンタジン(商品名シンメトレル。これはA型インフルエンザにも効きます)と似た構造です。アマンタジンのような幻覚などのの副作用はないようです。


<アリセプト(ドネペジル)には案外、失神の副作用がでます。これまでに僕自身の経験では、失神のために3人アリセプトの投与を中止しています。救命救急病院に搬送したこともありました。こういう患者さんがまずメマンチンの適応になるのでしょうね>

正直な話、使ってみないと効果は未知数ではないでしょうか。副作用のめまいで転倒して、大腿骨頚部骨折する危険はどの程度なのでしょうか。


2011.04.30 / Top↑

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