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アルツハイマー型認知症の新しい薬が発売になりました(2011年6月8日)。


第一三共株式会社から出る、メマリー錠(一般名:メマンチン塩酸塩)です。これまであった、アリセプト(一般名:ドネペジル)とは効き方が違うので、両方使うことでよく効くようになるそうです。


以下は専門的になります。

ドネペジルは、「コリン仮説」に基づいて、脳のアセチルコリンを増やす薬でした(アセチルコリンの分解を阻害して)。

メマンチンは、「グルタミン酸仮説」に基づいて、グルタミン酸系に働きます。

<ここで注意してほしいのは、「仮説」という点です。もちろん理由はどうあれ効果があればいいのですが>


「認知症のグルタミン仮説」について。(統合失調症にも「グルタミン酸仮説」があります)

グルタミン酸は興奮に関係がある神経伝達物質です。

グルタミン酸の受容体の一つにNMDA受容体があります。これは海馬にたくさん分布していて、記憶に関係しているとされています。アルツハイマーになるとこの受容体が減るのです。

ということは、NMDA受容体を増やせば効果があることになります。ふつうは。

ここからが、やや眉つばというか、こじつけというか、

アルツハイマーが進行すると、その減ったNMDA受容体が異常に興奮して、神経細胞を破壊するのだそうです。(まるで、見てきたような話ですが)

メマンチンはこの異常なNMDA受容体の興奮だけを抑え(=NMDA受容体拮抗作用て、)正常な伝達は抑えません。そのために記憶障害が改善するそうです。

<NMDAをブロックする薬には、プレガバリンやケタミンという痛みどめ(この強いのがPCP=フェンシクリジンという幻覚作用の強い薬です)があります。ケタミンがうつ病に効果があるという報告もあります>

<SSRIのフルボキサミンは、シグマ1受容体への作用が強いですが、シグマ1はNMDAを促進してうつ病の認知機能やうつ状態を改善します。抗精神病作用もあるとも言われています。これはメマンチンとは反対の薬理作用です。効果は似ていますが>

(うーん、はっきり言って、認知機能にはNMDAをブロックすると改善するのか、促進させるといいのかはっきりしません)

メマンチンの投与の対象となる疾患は、中等症以上のアルツハイマー型認知症です。ドネペジルの無効な患者さんや、ドネペジルの効果が不十分な患者さんにドネペジルと併用で投与します。

主な副作用はめまいです(4.7%)。精神興奮の報告もあります。

パーキンソン病の治療薬のアマンタジン(商品名シンメトレル。これはA型インフルエンザにも効きます)と似た構造です。アマンタジンのような幻覚などのの副作用はないようです。


<アリセプト(ドネペジル)は、失神の副作用がまれにでます。これまでに僕自身の経験では、失神のために3人がアリセプトの服用を中止しています。救命救急病院に搬送したこともありました。こういう患者さんがまずメマンチンの適応になるのでしょうね>

正直な話、使ってみないと効果は未知数です。副作用のめまいで転倒して、大腿骨頚部骨折する危険はどの程度なのでしょうか。これが一番の心配です。




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2011.06.08 / Top↑
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